Unglue.itの取り組み

現代ビジネスで松岡 由希子さんが
 Unglue.itの紹介記事を書いていました。

クリエイティブコモンズにキックスターターを融合させた、電子書籍のためのプラットフォーム「Unglue.it」


なんか、横文字がすごいですね。
なんでもクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用する電子書籍に対して、

著者は、このプラットフォームで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス に基づき書籍を開放する一方、電子書籍コンテンツとしてのオンライン販売やクラウドファンディングにより、一定の資金を得ることができます。

要するに、ライセンスと資金調達の話。
3つのパターンが用意されている様で、

まず寄付をベースとした「Thanks for Ungluing」

もう一つは、まず先行して一般読者に電子書籍コンテンツとして販売し、
売上が目標額に達したら、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで開放するという「Buy to Unglue」

そして 「作品が完成したら、必ずオープンアクセス化する」
という条件で資金を募る、クラウドファンディング型の「Pledge to Unglue」


記事の中で指摘している通り、
今までにも出版資金をクラウドファンディングで集めるというものはあったのですけれども、
Unglue.itでは最終的にはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで開放するっていうのは、
新しいといえば新しいのかも知れませんが、


実際にサイトに行ってみると
何冊か動いているようです。

おそらく百科事典や、ハンドブックのような書籍とは
相性が良いと思いますが、
実際の所、小説や漫画なんかの創作物の流通を考えると、
なんだかなぁと思います。

まずクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで開放するから
読者を獲得で出来ると考えるのは幻想ですなぁ。

また 「Buy to Unglue」や「Pledge to Unglue」は
自分の創作物の価値を予め設定するわけですが、
そもそも、 自分の小説や漫画の価値って、
自分で判断できるものなのでしょうか。


ただ、かつての共産圏の職業作家のような存在を前提に
創作期間をサポートしてくれるパトロンを募集するという様な感じで
欧米では案外こういうタイプのものは受け入れて貰えるのかもね知れませんね。


日本の作家が活用するとすれば、翻訳エージェント探しを前提として、
こういったUnglue.itを活用して、
代表作をパブリックドメイン扱いにしてしまうという手法もあり得るかもしれません。


Unglue.itは、とてもお金の循環するような仕組みとは思えないのですが、
使い方によっては、 面白くなるのかも知れないと思います。